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ふるさと納税の謝礼として受け取った特産品の取扱い

ふるさと納税の謝礼として受け取った特産品の取扱い

平成27年度の税制改正でふるさと納税制度が拡充されたことにより、ふるさと納税がより身近なものになりました。
また、謝礼として送られる地方の特産品の品揃えが充実したことも、ふるさと納税をする人が増えてきた要因の一つだといえます。そこで今回は、ふるさと納税の謝礼として送られる地方の特産品について、税務上の取扱いを紹介します。

謝礼として送られる特産品の考え方

税務上、ふるさと納税の謝礼として受け取る「特産品」は、地方公共団体からの贈与により取得したものと考えられています。この場合、ふるさと納税をした寄附者が受け取る「特産品」の経済的利益は一時所得に該当することになります。

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一時所得の計算方法

ふるさと納税の謝礼で受け取る「特産品」の一時所得の計算方法は、次のとおりです。

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  • ①に計上するふるさと納税の謝礼として受けた特産品の収入金額に計上する価額は、各地方自治体のホームページなどで「特産品○○○円相当」と示されているのが一般的なことから、その価額を一時所得の総収入金額に含めることになります。
  • ②に計上する支出した金額については、支払ったふるさと納税は、あくまで地方公共団体への寄附金であり、特産品を受け取るために支出した金額ではなく、特産品は無償で受け取ったと考えられるため、一時所得の総収入金額から控除する金額は、0円となります。

一般的には、一時所得の金額の計算では、50万円の特別控除額があるため、ふるさと納税の謝礼として受け取る特産品の経済的利益だけで50万円を超えることは、少ないであろうと考えられます。
ただし、その年に他の一時所得があれば、それも合算して一時所得の計算をするため注意が必要です。

こんな人は注意が必要

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質
や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には次のようなものがあります。

  1. 懸賞や福引きの賞金や物品、競馬や競輪の払戻金
  2. 生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金
  3. 法人から贈与された金品(ふるさと納税の謝礼がこれに当たります)
  4. 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金など

ふるさと納税の謝礼として受け取った特産品以外に上記のような収入がある場合は、特別控除額の50万円を超えて一時所得が発生する可能性があるため注意が必要です。
その場合は、ふるさと納税の謝礼として受け取った物産品の経済的利益「○○○円相当」を確定申告までに事前に調べておく必要があります。また、特産品の金額について、地方自治体のホームページ等で確認できない場合は、直接、地方自治体の窓口に電話をして確認をすることになります。